大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)296 判決

主 文

本件上告および附帯上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とし、附帯上告費用は附帯上告人の負担とする。

理 由

上告(附帯被上告)代理人中村喜一の上告理由第一点について。

原判決が是認引用した第一審判決認定の事実関係によれば、上告人の本件建物の

占有が過失に基く不法占有によつて始まつたものであるとして留置権の抗弁を排斥

した原審の判断は正当である。所論は独自の見解にすぎないもので採るを得ない。

同第二点について。

所論は経験則違反をいうが、その実質は原審が自由心証の範囲内で適法になした

証拠の取捨判断、事実認定を非難するものにすぎず、上告適法の理由と認められな

い。

附帯上告人(被上告人)Bの附帯上告理由第一点について。

所論の実質は帰するところ、原審が附属建物の滅失につき適法になした証拠の取

捨判断、事実認定を独自の見解に立つて論難するものにすぎず、採用できない。

同第二点、第三点について。

所論違法の主張は、原審の適法なる事実認定に即しないものであるから採用でき

ない。

同第四点について。

しかし記録によれば、所論損害金の起算日の主張が明らかでないとの原審の判断

は是認できるから、右の理由によつてその請求を排斥したことを違法とは言えない。

論旨は理由がない。

同第五点について。

しかし原判決は、附帯上告人が、附帯被上告人が果実を取得したことを原因とし

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てその返還を請求したのに対し、その理由のないことを判示して請求を排斥したの

である。所論はひつきよう原審で主張判断を経ない事項につき違法を主張し判例違

反をいうものであるから採用できない。

同第六点について。

所論の実質は、原審の認定しない事実、その認定に即しない事実によつて原判決

を非難し、原審の専権に属する証拠の取捨、事実認定を論難するものであつて採る

を得ない。引用の判例は適切でない。

同第七点について。

訴訟費用の点を除くその余の論旨の採るを得ないことは以上に説示したとおりで

あり、本案の裁判に対する上訴が理由のない以上、訴訟費用の裁判に対する不服の

申立は許されないから(昭和二九年一月二八日第一小法廷判決、民集八巻三〇八頁

参照)、本論旨もすべて理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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